2026/7/23 更新

子どもの骨折の多くは、転倒やスポーツなどによる一時的なケガであり、必ずしも病気が原因とは限りません。
ただし、軽い衝撃で骨折を繰り返す、骨の痛みが続く、成長の伸びが気になるといった場合は、背景に病気が隠れていることがあります。
この記事では、まず確認したいポイント、骨折しやすくなる主な原因、骨折を繰り返す場合に考えられる病気、受診の目安をまとめます。
「骨折しやすい」とは、軽い転倒や日常の動作でも骨折する、短期間に何度も骨折するといった状態を指します。
受診に迷うときは、骨折の状況・回数・部位・成長の様子を合わせて確認しましょう。
まず「骨折した状況(強い衝撃か軽い衝撃か)」「骨折の回数」「骨折した部位」「痛みの続き方」「成長の様子」を確認しましょう。
複数項目が当てはまる、または軽い衝撃で骨折を繰り返す場合は受診を検討します。
骨折の状況と回数からわかること
強い衝撃による骨折は、健康な骨でも起こり得るため過度に心配する必要はありません。
一方、軽い衝撃で繰り返し骨折する場合は、骨の強さそのものに問題がある可能性があり、病気を疑うきっかけになります。
年齢による骨折の特徴
年齢によって骨折しやすい部位や原因は異なります。
乳幼児期はベビーベッドや二段ベッドからの転落などをきっかけに鎖骨や上腕の骨折が多く、体重を支える力がまだ弱いため一度のケガで両腕・両足を骨折することもあります。
小学生以降は前腕や手指の骨折が増え、スポーツに取り組む年齢になると外傷の機会そのものが増えます。
今すぐ確認したいポイント
気になる変化はメモしておくと、受診時の説明に役立ちます。
骨折の状況・回数・部位・痛みの続き方・成長の様子を記録しておきましょう。

子どもの骨折の多くは転倒やスポーツによる一時的な外傷が原因ですが、
成長期特有の骨の状態や栄養・運動習慣が背景にあることもあります。
成長期は骨の端にある「骨端線(こつたんせん)」と呼ばれる成長軟骨の部分がやわらかく、負荷がかかると骨折しやすいことがあります。
スポーツなどで繰り返し負荷がかかる場合や、急激な身長の伸びがある時期は特に注意が必要です。
カルシウムは骨の材料そのものであり、ビタミンDはその吸収を助けます。
偏った食事や日光不足が続くとこれらが不足し、骨が十分な強度を保てず骨折しやすくなることがあります。
バランスの良い食事と適度な外遊びを心がけましょう。
骨折自体は子どもにとって珍しいものではありませんが、軽い衝撃で繰り返す場合や、成長障害・骨の痛みを伴う場合は病気が背景にある可能性があります。
症状だけでは診断できないため、家庭で気づきやすい特徴と受診の目安を整理します。
ビタミンDの不足や作用の異常で骨を硬くする過程(石灰化)が進まず、骨がやわらかく変形しやすくなる病気です。
特徴的な症状:
家庭で気づくポイント:
歩き始めた頃の脚の形や、他の子と比べた成長の様子で気づかれることがあります。
受診の目安:
脚の変形や成長の遅れを伴う場合は、早めに小児科を受診してください。血液検査やレントゲンで診断します。
症状や治療、日常生活での工夫などについては「かんしん広場」のビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症広場でも詳しく紹介しています。
骨の材料となるコラーゲンの異常により骨がもろくなる生まれつきの病気で、通常なら骨折しない程度の力でも骨が折れやすくなります。
特徴的な症状:
家庭で気づくポイント:
抱っこやおむつ替えなど、通常は骨折しない日常動作で骨折した経験がある場合は注意が必要です。
受診の目安:
軽い衝撃での骨折を繰り返す場合は、整形外科や小児科で専門的な検査を受けましょう。
骨を硬くする酵素(アルカリホスファターゼ)の働きが弱い生まれつきの病気で、骨がやわらかく弱くなりやすくなります。
特徴的な症状:
家庭で気づくポイント:
乳歯の生え変わりが早い、歯がぐらつきやすいといった様子で気づかれることがあります。
受診の目安:
上記のような症状が重なる場合は、小児科で血液検査(アルカリホスファターゼ値の確認)を受けましょう。
症状や治療、日常生活での工夫などについては「かんしん広場」の低ホスファターゼ症広場でも詳しく紹介しています。
さらに珍しい病気としては、先天性代謝異常症があります。
これは、体の中の様々なホルモンや酵素が正常に機能しないことで、全身に色々な症状を引き起こす病気のグループです。
特にMenkes病では、銅が正常に吸収されないため、骨がもろくなります。
また、ライソゾーム病の中のゴーシェ病でも、体の酵素がうまく働かないことで異常に骨折を繰り返します。
特徴的な症状:
家庭で気づくポイント:
骨折の繰り返しに加えて、髪や皮膚の様子、お腹の張り、発達や成長の遅れなど、他の症状が同時にみられる場合は注意が必要です。
受診の目安:
骨折の繰り返しに加えて上記のような症状がある場合は、小児科で詳しい検査を受けましょう。頻度は非常にまれですが、専門的な診断が必要です。
副甲状腺機能亢進症など、ホルモンの分泌異常により骨からカルシウムが失われやすくなる病気です。
特徴的な症状:
家庭で気づくポイント:
骨折の繰り返しに加えて、のどの渇きや体重減少など他の症状を伴う場合は注意が必要です。
受診の目安:
骨折に加えて全身症状がある場合は、小児科で血液検査を受けましょう。
慢性の腎臓病や消化管疾患、ステロイド薬などの長期使用で骨の形成やカルシウムの吸収が妨げられ、骨が弱くなることがあります。
特徴的な症状:
家庭で気づくポイント:
治療中の主治医に、骨の健康についても合わせて相談しておくと安心です。
受診の目安:
治療中の病気がある場合は、自己判断せず主治医に骨折のリスクについて相談しましょう。
骨にできる腫瘍で頻度は高くありませんが、骨の一部がもろくなり軽い衝撃でも骨折(病的骨折)することがあります。
特徴的な症状:
家庭で気づくポイント:
骨折する前から、同じ場所の痛みや腫れを訴えていた場合は注意しましょう。
受診の目安:
骨折した部位に持続する痛みや腫れがある場合は、様子を見ずに整形外科を受診してください。
血液を作る細胞に異常が生じる病気で、骨の中(骨髄)に異常な細胞が増えることで骨が弱くなり、骨折しやすくなることがあります。
特徴的な症状:
家庭で気づくポイント:
骨折に加えて、あざのできやすさや長引く発熱がある場合は注意が必要です。
受診の目安:
骨折とともに発熱・あざ・顔色の悪さが重なる場合は、早めに血液検査を受けましょう。
紹介した病気はあくまで一例です。診断には医師の診察・検査が必要です。

「骨折した状況」「骨折の回数」「痛みの続き方」「成長の様子」を確認し、
軽い衝撃での骨折を繰り返す場合や気になる症状がある場合は、
様子を見ずに受診しましょう。
様子を見てよいケース
早めに受診すべきケース
| 診療科 | こんな場合に |
|---|---|
| 小児科 | 骨折の原因や全身状態を確認したいとき。最初の相談窓口です。 |
| 整形外科 | 骨折の治療や、骨の状態を詳しく調べたいとき。 |
| 救急外来 | 強い痛みや変形、動かせないなど、緊急性が高いとき。 |
明らかな骨折が疑われる場合は、整形外科や救急外来を受診してください。
原因がはっきりしないまま骨折を繰り返す場合は、小児科に相談すれば、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらえます。
A. あります。乳幼児は骨がやわらかく、転び方によっては骨折することがあります。
1回だけなら過度に心配する必要はありません。
A. 明確な基準はありませんが、半年以内に2回以上、または軽い衝撃で繰り返す場合は小児科や整形外科への相談をおすすめします。
A. カルシウムは必要な栄養素ですが、それだけで骨折は防げません。
ビタミンDや適度な運動も合わせて取り入れることが大切です。
A. レントゲンだけでは原因まで分からないことがあります。
骨折を繰り返す場合は、血液検査など追加の検査が必要になることがあります。
多くは転倒やスポーツによる一時的な骨折で、必ずしも病気が原因とは限りません。
骨折の状況・回数・部位・成長の様子を合わせて確認しましょう。
軽い衝撃で骨折を繰り返す、成長の遅れがある場合は早めに受診しましょう。
骨の痛みが続く、あざができやすい、発熱を繰り返す場合は医療機関に相談してください。
「いつもと違う」という保護者の気づきは、早期発見の大切な手がかりです。
子どもの骨折しやすい様子に気づいたときは、一人で抱え込まず、気になる変化をメモしながら、かかりつけの小児科や整形外科に相談してください。
多くは一時的な骨折ですが、栄養不足や骨・内分泌の病気など、早めの対応が必要な原因が隠れていることもあります。
軽い衝撃での骨折の繰り返し、骨の痛み、成長の遅れ、あざのできやすさがある場合は、早めの相談が安心です。
普段の様子をよく知る保護者の気づきは、診察においても重要な情報になります。
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