2026/5/11 更新

「最近、赤ちゃんがミルクを飲んでくれなくて不安…」 「急に飲む量が減ったけれど、どこか具合が悪いのかな?」 毎日一生懸命育児に向き合っているからこそ、赤ちゃんの小さな変化に戸惑ってしまうのは当然のことです。
結論からお伝えすると、赤ちゃんが一時的にミルクを飲まない、あるいは飲む量が減ることは
珍しいことではありません。
もし赤ちゃんの機嫌がよく、おしっこもしっかり出ていて、体重が順調に増えているのであれば、過度に心配しすぎる必要はない場合がほとんどです。
しかし、中には体の不調や病気が原因で「飲みたくても飲めない」というサインを出していることもあります。
この記事では、赤ちゃんがミルクを飲まない際によくある原因から、注意したい症状、
そして考えられる病気について分かりやすく解説します。
読み終える頃には、いま目の前の赤ちゃんに対して「様子を見ていいのか」「病院へ行くべきか」の判断基準が明確になっているはずですよ。
原因を探る前に、まずは今の赤ちゃんの状態を観察してみましょう。
以下の項目に当てはまるものがあるか確認してみてください。
これらに該当せず、機嫌が良い時間があるのなら、緊急性は低いかもしれません。
次に、病気以外でよく見られる「ミルクを飲まない理由」を見ていきましょう。
赤ちゃんがミルクを飲まない理由は、成長に伴う自然な変化であることが多いです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、口に触れたものを無意識に吸う「吸てつ反射」によってミルクを飲んでいます。
しかし、生後2〜3か月頃になると脳が発達し、自分の意志で「お腹がいっぱい」「今は飲みたくない」と調節できるようになります。
この時期に急に飲む量が減ったように感じても、体重が成長曲線に沿って増えていれば、それがその子の適量であると考えられます。
成長に伴い、赤ちゃんの好奇心は旺盛になります。テレビの音、家族の声、窓の外の景色など、周囲が気になって授乳に集中できなくなる「遊び飲み」が始まります。
また、非常に眠たいときも、吸う力が弱まったり途中で寝てしまったりすることがあります。
「昨日までは飲んでいたのに」という場合、意外と多いのが道具の問題です。
これらが原因で、哺乳瓶を拒否することもあります。
病気とまではいかなくても、小さな不調が食欲を落としている場合があります。

上記のような環境調整をしても改善せず、
明らかに「飲みたいのに飲めない」「飲むと異常な戻し方をする」といった場合は、
消化器や筋肉、発達の異常が隠れている可能性があります。
肥厚性幽門狭窄症 は、胃の出口にある幽門筋 という筋肉が厚くなってしまうことで、胃の中身が腸へと通過できなくなる病気です。
主に生後2週間から2か月ごろの時期に発症します。
特徴:食欲はありますが、ミルクが胃から出ていかないため、ミルクを飲んだ後、噴水のように勢いよく吐き出します。
注意: 赤ちゃん自身に食欲はあるため、吐いた直後にまた飲みたがることが多いです。 放置すると脱水や低栄養を招くため、手術などの治療が必要になります。
手術で厚くなった筋肉を切除することにより、胃の出口の通過を改善させることができます。
脊髄性筋萎縮症は、脊髄にある運動神経細胞に異常がおこり、だんだんと筋力が低下したり、筋肉がやせていったりする病気です。
症状の重症度によって4つのタイプに分類され、Ⅰ型(重症型)は生後数週間で運動機能が下がってしまい呼吸がうまくできなくなります。
Ⅰ型の場合、母乳やミルクを吸う力も弱いため、ミルクなどがうまく飲めないといった症状があらわれます。
Ⅱ型は支えなしで立ったり歩いたりすることができません。
Ⅲ型は歩けるようになるが次第に歩けない、転びやすいなどの症状が出てきます。
Ⅳ型は成人になってから発症し、軽度の筋力の低下があります。
特徴: ミルクを吸う力(吸てつ力)が弱く、飲むのに非常に時間がかかったり、うまく飲めなかったりします。
現在: かつては治療が困難で、症状を軽くするリハビリや経管栄養などの対症療法が主な治療でした。近年では新しい治療薬が承認されており、早めに治療を受けることが有効です。
発達障害は、生まれつき脳の機能に障害があることで発達にかたよりが生じる状態です。
DCD(発達性協調運動症)は発達障害のひとつです。
特徴: 筋力の低下はありませんが、手と手、手と足などの別々の動きをいっしょに行う協調運動に不器用さがみられます。母乳やミルクをのみこむ際は、口の中や舌の筋肉の運動が必要になるため、ミルクをうまく飲みこめなかったり、飲むのが遅いことがあります。

「これくらいで受診してもいいのかな?」と迷うこともあるでしょう。
しかし、赤ちゃんにとってミルクは栄養源であると同時に水分補給の手段でもあります。
以下の症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診してください。
まずは、お近くの小児科を受診しましょう。
赤ちゃんは自分の言葉で症状を伝えられませんが、小児科医は全身の状態を総合的に診察してくれます。
もしより専門的な検査や治療が必要な場合は、適切な専門病院を紹介してもらえます。
「なんだかいつもと様子が違う」というママ・パパの直感は、時にどんな検査よりも鋭いことがあります。
些細なことと感じても、遠慮せずに相談してくださいね。
| 様子見でOK(家庭で工夫) | 早めに小児科へ相談 |
|---|---|
| 機嫌が良く、元気に遊ぶ | ぐったりして活気がない |
| おしっこが1日6回以上出ている | おしっこが極端に少ない(半日出ていない) |
| 体重が成長曲線に沿って増えている | 体重が増えない・減っている |
| 遊び飲みや、飲む量にムラがある | 毎回噴水のように激しく吐く |
| ミルクの温度や乳首を変えると飲む | 飲み込む時にいつも激しくむせる |
ミルクを飲まない」という悩みは、多くのママ・パパが一度は直面するものです。
育児に正解はなく、赤ちゃん一人ひとりに個性があります。
「周りの子と比べて飲む量が少ない」と自分を責める必要はありません。
もし今、あなたが「自分の関わり方が悪いのかな」「この子の将来は大丈夫かな」と、言葉にできない不安を抱えているのなら、専門医の言葉に耳を傾けてみてください。
国立成育医療研究センターの島袋林秀先生へのインタビューでは、地域でのサポート体制や、家族だけで抱え込まないための考え方について詳しくお話しいただいています。
▶【専門医インタビュー】赤ちゃんがミルクを飲まない(島袋林秀先生)
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一人で悩まず、医師や専門家、そして地域のサポートを上手に頼りながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
あなたの「おかしいな」という直感と、赤ちゃんを想う気持ちが、何よりの早期発見・早期治療に繋がります。
▼「赤ちゃんがミルクを飲めない」に関する小児科医へのインタビューはこちら▼
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